(南の島での夜釣り 第四話)
月日 2009年6月13日(土)〜14日(日)
天候 6月13日 曇り
6月14日 晴れ
初日は曇りで風もそこそこあり涼しかったが、
潮は初日夕方から夜中までトロトロと流れ最高! 夜中を過ぎると止まり朝からはとても速くなり釣りにならず
場所 バタムの西(Bintan Lagoi)へ航程2時間半の大物場
メンバー Sulaiman、 Hermin Tan、 Suryanto Chang、 Hardi Win、 Siang Hua、 A.han、 Fukuの7名
対象魚 ハタ(Grapur)、フエダイ(Snapper)、ケタラップ(ブダイの仲間)
今回は前回のリベンジもあり今度こそはと思いつつしっかり作戦を立てて準備を行った。
前日にメンバーが集まったときスライマンが朝早く行きたいがよいかと聞いて来たので、即座にダメ!昼過ぎに出たい!と言って断った! こちらはにわか独身で洗濯だってあるしこのところ疲れが溜まって来たので半日くらいゆっくりしたいのだ! するとサビキは早いうちがよいので10時に出ようと言ってきた。 仕方がないのでじゃあ11時にしてくれと頼んだ。
10:55にヘルミンとスリヤントウが予定時刻より5分早く迎えにきた。 珍しいこともあるもんだ! 船着き場までは近く11:20には着いてしまった。 前回同様赤い船が停泊しているので荷物を積み込んだ。 その時後続のスライマンの車が到着した。
全く陽気な連中で〜す! 見えてる島がラゴイです!
思い思いに釣り座に座り仕度を始め一息ついたのが11:45であった。 暫く談笑していたが船頭が現れない? ヘルミンに確認させると出港は13:00だって! オイオイまたかョ! 時間のいい加減さは判っているんだが、ガクッと来る! どうせ13:00出港も適当だろうからと再度ヘルミンにすぐ出るように言わせると、船頭がヒョコヒョコ現れエンジンが掛った! これがバタム流なのだ!
出航後暫く連中のワイワイガヤガヤに付き合ったが、前日の寝不足で目がトロトロしてきたので「寝るから!」と言ってベッドに潜り込んだ。 最初のポイントは航程2時間なのでこれですっかり元気になった。 2:30サビキ場に到着して早速釣りの開始である。 小生はサビキの3本バリを自作してテンビンに付けてふかせた。 暫くすると強烈な引きが来て合わせると一気に走り止まらない! 少しドラッグを閉めたらその瞬間プッ!と切れた! 回収してみると4号のエダスを出している締結部から切れていた。 何者?よく判らないがとにかくでっかい奴であった! フ〜ッ! まだ始まったばかりなので気を取り直して仕掛けを交換する。 そこからは普通のサビキで小アジやカマスなどを釣って遊んだ。 こちらのアジは胴周りが日本のものより丸いように感じる。 15:40に船頭がそろそろ大物場へ行こうと言うので、サビキをやめて大物仕掛けを準備した。 大物場までは約1時間走り17:00着に到着した。 勿論それまでベンチにゴロリである。
ポイントに到着後何を思ったのかアハンが弁当を出して食い出した。 ヘラが減ったと早ベンである。
早弁のアハン!アジの唐揚げで〜す!
へ、へ、ヘルミンの初ヒット! どうじゃ! 2.9kgじゃ!
それに刺激されたのかまさにこれから夕マヅメの時間に入ろうと言うのにへルミンはサビキで釣った魚の唐揚げを船頭に頼んだ。 釣れたてなのでうまいのだが油がいかん!これが日本の油ならとても旨いのであろうが、油臭くて魚の味が判らないくらいなのでまるで油を食っている感じ
感じでリールを巻いている。 上がったのはサビキでも食ってくるサイズのカッチである。 とその後竿を2本出していたアハンがミヨシの置き竿を見に行ったところ、竿掛けに立てていた竿がしきりにお辞儀を始めた。 皆で彼を呼ぶと飛んで戻りリールを巻き始めた。 上がってきたのは2.9kgのカッチであった! その後当たりも止まり暗くなり始めたので6:30に夕食にすることにした。 油紙に包んだ大量のご飯に鶏の唐揚げ2種類と野菜である。 鳥の唐揚げは辛いがまあまあであるが、野菜はいけない!硬くて何だかその辺に生えている雑草を食っている感じで、とても食えたものではないが目をつむり鼻をつまんで飲みこんだ! ア〜ァ!ディナーってもっと楽しいものだよネ!
これが楽しいディナーですゾ!
食事も終わり20:00頃だったろうかそれまで速かった潮はずいぶん治まってきて、
俺スリヤントウ! ハ〜イ!ひょうきんハルディーだョ!
これで釣れなきゃおかしいと言うほどよくなってきた。 そんなことを考えていたらスリヤントウが竿を煽っている! でも大したことはなさそうなので上がるのを待っていると、案の定小型のスニーパーであった。 これとほぼ同時にハルディーが何やら格闘を始めた。 その様子から大物の予感がするがはたして上がってきたのは良型のスニーパーであった。 アハンの上げたカッチに比べると小型だが値段は比較ならないと言う。 ここではガラプーとスニーパーが高級魚と言うそうだ。 ガラプーはレストラン等で何度か食べたが確かに値段は良かった。 スニーパーは食べたことがあるのかどうか定かでない。さて続けざまのヒットで船上はにわかに活気付き、船頭が網ですくった10cmほどの小さなイカを針に付けて投入を繰り返した。 ヘルミンはしきりに小さな当たりに反応して竿を煽るが、エサの先端をついばむ小魚の魚信である。 ところが小生のエサにはついばんだ後がない?? ここでハッと気が付いた! タナが違うのである! 潮が速いとの思いから仕掛けをいつも下げていたのだが、どうやらもっと上らしい! そこで底から2.2m上げてみると今度はクックッ、クックッとしきりに小魚の当たりが出てきた! これだ!今まで釣れなかったのは! そこで2.0mを基準に潮が速ければ下げ、遅ければ上げることにした。 それからはしきりにコツコツと小魚の当たりがあり、回収すると半分くらい食われている。 そう!このタナで待てばよいのだ! 潮は最高に良い流れで曇っており条件的には最高である。 しかしこの後は誰の竿にも強烈な当たりが来なくなった。 21:00を過ぎても一向に当たりはなくヘルミンが何やら船頭のところへ行った。 帰ってきて聞くと船頭は夜中から潮は早くなると言っていると報告をしてくれた。 しかし肝心なのは今でよい流れなのに何故ビッグサイズがこないのであろうか悩んでしまう。 そのうち一人、もう一人とベッドへ行って寝はじめた。 0:00を過ぎたころはスライマン、アハン、ハルディーの4名になってしまった。
スライマンは椅子に座ったまま竿を持って眠っている。 小生は何としても釣りたくて眠いのだが頑張った。 このころ潮が一旦止まったもののすぐに逆へ流れ始めた。 この潮もほどほどの流れでいうことはない。 しかしこれで船の向きが変わり仕掛けの根掛かりが続出する。 小生は以前の教訓に自分で解除を試みて3回掛ったが総て外すことができた。 アハンが訴えるよ。ひょうきんな奴!根掛かりもこの調子! うな眼で俺を見ている。 どれどれ彼の根掛かりも外してやった。 ここの海底はサンゴ礁なので一寸油断をすると根掛かりしてしまう! 着底後の処置が重要である!。 2:30とうとう我慢の限界に来た! 小生もベッドに行き横になると先客のスライマンの轟々たるいびきき響き渡っている。 うるさいドッ! 寝れないぞ!と思いながら横になるとそのまま眠ってしまったようで夢の中で仲良くいびきの競演をやったかもしれない?!
5:30に目が覚めてそ〜っと様子を見にゆくと船頭を含め全員が夢の中である。 起こしてはかわいそうだからまたベッドに戻った。 しかし一旦目が覚めると固いベッドは辛いものがある。 仕方なく邪魔にならないように船尾に行き潮の流れをみるととんでもなく速くなっている。 これじゃ全く釣りにならないので辛いがまたベッド
日の出に向かう早い潮!
に戻った。 6:30に再度船尾へ行くとスライマン、スリヤントウ、シアンフウが仕掛けを出しているが
1kgのウェートが軽く流されている。 小生は朝マズメを諦めて仕掛けをサビキに交換して移動するのを待った。
やっと彼らも諦め移動することになったが、船頭がコーヒーを作るから待てと言う。
コーヒーを飲み終えても未だ動こうとしない?! またもやヘルミンが船頭と何やら話しており、聞くと
朝食のラーメンを作ってもらっているからそれを食って出ようと言うのだ。
オイオイ今帰っても港に着くのは定刻の9:00なんだョ? 朝飯食ってサビキしてと言ったら何時になるの?
暫くして現地ラーメンが出てきたがマズイ! 作ってくれた人には悪いがマズッ!
しかし他の連中は山盛り食ってしかもおかわりしている! 小生がおかしいの?
やれやれやっと船が出てサビキ場へ向かった。 アレ?周りを見ると誰もいない? 皆ベッドに潜り込んだ!
1時間の航程だそうだ。 サビキを始めるが深い!60mと深いが魚は全く食わない! ヘルミンは即座にチェンジ
プレース!と怒鳴り移動である。 2、3ヶ所回ったがどこも駄目、と言っても時折中アジが上がる程度だ。
9:00になり小生が「帰るドッ!」とヘルミンを促しやっと帰港することになった。
今回は我一番にベッドに潜り込み眠った。
エンジン音が低速になり到着したようなので起きて時計を見ると11:00である。
アリャ?チト早いが帰路を急いでくれたのかな! 外へ出ると、
ナッ、ナッ、何と!未だ海原の真っただ中だ! こりゃどういうこと?とヘルミンに問いただすと
もう1回サビキをやると言う!もう海に突き落としたくなっちゃう!
実は小生は11時にマッサージを予約していたのだ! 8:00の時点でこの予約を13時に変更してもらった。
今や余裕がなくなってきた! 「サビキョ!釣れるなョ!」祈りは通じノーフィッシュで本当に帰ることになった!
桟橋着が12:15とジャスト24時間の釣りが終了した!
≪余談その1≫
13:00に予約したマッサージは結局14:30にやっときました!・・・バタムじゃ時計はいらない! 予約とは単なる目安で約束ではない世界のようです! 本当に身体に悪いところだ!!
≪余談その2≫
この遅れてきたマッサージは実に上手かった! しかも3時間で¥700だよ!! もうカッパえびセンダッ!・・・やめられない!